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スペシャル

スカイガールズ 「【岩崎監督&シリーズ構成吉岡氏】夜の対談」 その1

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登場人物
監督 岩崎氏
シリーズ構成 吉岡氏
プロデューサー 富田氏
i-revo担当 堂前

日も落ちてしばらくたった都内の某居酒屋……アフレコ帰りの男4人がほのかに麦酒の香り漂う店内に集まりました……

■1クール目お疲れ様でした!
全員 よろしくおねがいしますー。
堂前 本日はお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。スカイガールズTV放送もついに2クール目突入ということですが、 本日は1クール目を振り返ったりなんかしながらお話をお伺いできればと思っています。
さてさて、まずはここまで製作してきての手ごたえはどんな感じでしょう?
監督 そうですね。割と狙ったというところ・やりたいと思った方向性で進められているかなぁと思ったりしています。
堂前 当初はですね、どうしてもOVAのイメージが僕ら視聴者側としてはあったので、わりとバリバリバトルをするかと思っていました。 でも、冒頭は日常の様子から入ってきたといった感じですが……
吉岡 OVA版の時は、岩崎監督がスケジュールの都合で参加できず、脚本の第一稿が上がるあたりまでは私と松倉さん(J.C.STAFF/プロデューサー)と熊坂さん(KONAMI/原案)の三人で話を作っていました。その後あらためてTVシリーズを始めるにあたり、岩崎さんのほうから「もうちょっとソフト路線でいきましょう」という提案があったんです。既にOVA版の制作前から、のちのTVシリーズ用としてかなり殺伐とした(笑)ストーリーや設定を用意してあったんですが、それらは全部捨てて一から作り直しています。
監督 主人公の三人は、DNA的にはスペシャルなもの・特別なものを持っている人たちではあるけれども、本当に普通の一般生活を送っていた女の子というふうに描きたかったというのがありまして。部隊に入ってからも普通の女の子のままでって。
堂前 横須賀の街、特に買い食いのシーンなどの風景にも日常が見えていますね。
監督 設定では、横須賀辺りは10年前には戦争で破壊されています。まぁ通りとかは昔とそのままでしょうけど、一回戦争で無くなって更地になり、また戦後の闇市といいますか、そういうものが発達し街が復興しつつある…というような雰囲気をみせたかったんです。
堂前 たくみと出会うお話で、崖の上から街を見下ろすシーンとかって、あそこはかなりグっとくるシーンですよね。
監督 ええ、そうですね。4話の中でもかなり力を入れたところです。
堂前 日常風景というと、電車もなんだか見たことある感じのものが多かったですが(笑)
監督 今までで一番力を入れて電車を描いたかもしれません(笑)
吉岡 移動経路まで監督が設定してましたよね(笑)
堂前 あれ?なんで仙台から来たのになんでこんなところ経由するんだ?ってな細かいツッコミがファンからあったようですが(笑)
監督 世界が壊滅してから10年後ですから、すでに日常の光景として誰もあえて触れないと思って描いていませんが……。一部の絵としてはたまに出てくるんですけど、関東一円が消滅しているという設定になっています。仙台から横須賀に来るのに、今だったら東北新幹線を使って東京経由で来ればいいですけれど、東京がもう「無い」という設定ですので、八王子経由で仙台から群馬に行って―――そこからぐるーっと八高線に乗って・・・
富田 大宮通ってくるんですか?
監督 大宮はもう無い。
富田 あれ、大宮は無いんでしたっけ(汗)
監督 両毛線ですよ
富田 随分迂回してきているんですね
吉岡実は岩崎監督って、かなりの鉄ちゃんなんです(笑)。
監督 あれは一日で来たわけではなく、途中で一泊なり二泊なりしているはずなんです。
富田 伝わる人には伝わるもので、可憐が仙台から横浜まで移動するシーンがありましたが、 駅名ひとつで「あぁもう東京は無いんだ」って気づいたファンもいました。
監督 「東京はもう無い」とセリフで言わせれば分かりやすいんですけど。あの世界ではもう東京がないことがあたりまえの日常なので、 あえてセリフでは触れないでおこうと。
堂前 そっか、もう日常なんですよね。そんな世界が……
監督 京急は、たぶん京急の社員の人が頑張って延々今の電車を、70年後も走らせているんだろうと――――
全員 (爆笑)
富田 発車ベルもそのままですもんね。
堂前 VVVFインバータの「♪パラリラリラリ~」っていうのに感動しましたよ!
監督 わざわざ音響の方につくっていただきました(笑)
堂前 電車とか、軍隊でも一話で出てきた飛空挺……海上自衛隊のUS-1Aでしたっけ?意外と「過去」のものも出てきましたね。
監督 一回10年前で工場とかが無くなってしまった世界なので、あの時代ににあるのは「すごい最新鋭」か、 10年以上の前のものを修理して修理して使っているか……そんな感じなんです。
吉岡 最新のものは、前のワーム戦でほとんど破壊されてしまい、古いものを使うしかないんですよ。
堂前 なるほどー!!古いものにもちゃんと理由があるんですね。
そういえば、後の回で衛星で撮ったような写真が出てきましたが、「あっ俺の家沈んでるー」っていうファンの方もいらっしゃいました。 監督の家は大丈夫でしたか?
監督 いや、余裕で沈んでますよ(笑)実家まで無くなってますよ。
堂前 それはそれは(苦笑)あと70年の間に疎開をしないと大変なことになりますね(爆)
さて、そんな世界で、普通に暮らしていた可憐と音羽が二人が軍に入隊して瑛花と七恵に出会うわけですが。 瑛花はお父さんのこともあって早くから軍にいるし、七恵も15歳で軍に入っていました。若い年齢で軍隊に入ることは結構普通なんですね。
吉岡 戦争で20~30歳代の男性が死んじゃって、そこから10年経ってますから、働き盛りの30~40歳代がいないんですよ。冬后があの若さで大佐なのも、そうしないと組織としての体裁が取れないからなんではないかと。
堂前 ということで、メインの登場人物は比較的年若いわけですが、結構キャラの葛藤、悩みが散りばめられていますよね。 瑛花にしても、可憐にしても。各キャラクターの抱える悩みみたいなのについては、かなり重視していたのでしょうか?
吉岡 この作品の方向性として、そういうことを引っ張って重くする構成にはいかないよう常々気をつけておりました。何かしら抱えているものがあっても、その悩みばかり強調するようなことはできるだけ避けてます。これは、あらたにシリーズ構成を作るとき、松倉さんからも散々言われました。
堂前 視聴者の方の感想でよく言われているのですけど、「スカイガールズは1話で最後は必ずきれいに締めくくられる、 だからTVを見ていても安心感がある」と。このあたりも意識的なんでしょうか。
吉岡 正直にいえば、悩みを引っ張ったり前に押し出したりしたほうが楽なんですよ。
堂前 あ、そうなんですか?
吉岡 あくまで脚本的には、ですが。しかし、それをあえて封じているので、結構作業的には大変でした。
堂前 どうどん内面のほうに掘り下げて行く的な展開をしないで、という事ですか?
吉岡 それをせずに最後まで気持ちよく見ていただく――というところが、今回のポイントです。
堂前 日常生活のシーンを見ていて思うんですけど、キャラクター自身なんか楽しそうな雰囲気はありますよね。温泉いったりとか……
吉岡 岩崎監督作品って日常芝居がすごく魅力的なんです。だから「個人的に自分が見たい!」というシーンを、意図的に描いてることも時々あります(笑)。
堂前 やっぱり楽しくないと…ってことですね。
■ 視聴者の皆様からの感想、届いてます
監督 視聴者さんからのリアクションって集まってるんですよね?
富田 だいたい前半のお客さんの感想とかを見せていただいていると、「今週も一話で解決した」とか、 「悩みを持ちこさなくていいよね」とか、「安心して見れるよね」とかそういう声が。あと「瑛花さんツンデレキター!」みたいな。
吉岡 「ツンデレ」かぁ。全然そんなつもりで書いていないから…… だからそう言われるとそういうものなのかなー?っと思ったりはしますが。
堂前 えっ、そうなんですか?アレ。
吉岡 恋愛対象とか関係なく、気が強いと「ツンデレ」になるんですか?
富田 必ずしもそういうわけじゃないですけど、瑛花さんはお手本のような「ツンデレ」だと思いますよ。
堂前 安心して見られる、という話だと。最近……とくに今期「鬱展開」なアニメが多くかったこともあって、 その中で(スカイガールズは)「一服の清涼剤」って感じで。掲示板なんかでも「今週もやっと木曜日がやってきたー! スカイガールズで癒される」というようなことを書いていらっしゃる方もいましたね。でも、「息抜きの回だなぁ」って時々肩の力を抜いて見ているときがあるんですよね。 でも、力を抜いてみていたら、ラストででドカンと伏線がきて「えぇ!?」って(笑)
吉岡 ハマってる(笑)
堂前 気が抜けないんですよ~~(笑)ゆるいように見えて、なかなかそういう許してくれないというか、油断させてもらえない…って。
吉岡 確かに最後までゆるみっぱなしという回は、あまり無いですね。
富田 温泉の回も結構ヘビーな回ですもんね。
監督 何気にヘビーですねー。
富田 おばけの回もね…。音羽の弟が最後に出てきちゃいましたしね。
監督 そうですね、この後も弟関係は描く機会があるんじゃないかなぁと。
堂前 もしかして、ソニックダイバーってそういう設定ってあったりします?
監督 雷神・風神は量産機に近いけど、零神はプロトタイプに近い。
吉岡 零神が一番造りとしては「濃い」ので、何かといろんなものに反応しやすいけれど、 あの中に優希(音羽の弟)がいる……とかそういう設定は無いですから(笑)。
富田 そのあたりの話は、このあとをお楽しみってことで。
■ はい!質問です
堂前 そうだ、これだけは…今日どうしても聞かなきゃいけない!と思っていたことがあるんです。 各話の「お風呂シーン」の登場率が5割を誇っていると巷で評判ですが。
吉岡 監督の名誉のために言っておきますが、お風呂を毎回入れろっていう指示があるわけじゃないんですよ(笑) キャラクターみんなで集まって話すシーンって絶対必要じゃないですか。で、どこで話すか? ということになったときに……折角だから「だったらお風呂」ってなるだけで。裸の付き合いとかあるんですよ、きっと。
堂前 自然な流れでそうなっているだけと。
吉岡 脚本的に言えば、部屋で話すと人の出入りがさせずらくって、その場に全員ずーっといなくてはいけないけれど、お風呂の場合は、 あとから来る人や先に出る人もいるからシーンが作りやすいっていう利点もあるんですね。
それから、お風呂シーンが多いもうひとつの理由は「寮生活の楽しさ」みたいのを出してほしいという監督のオーダーがありましたから。 お風呂だけじゃないんですけど、やっぱりそういうシーンも増えちゃうかなぁ。 それに、お客さんに喜んでもらえるのは、とっても大切なことですから(笑)
堂前 もうひとつ、視聴者のみなさんが気にしていた話ですが、OVAで3人着ていた水着の再登場なんていうのはあるんでしょうか?
監督 あれは…(汗)結論を言ってしまうと、たぶんあれは出ないと思います。
吉岡 思うんですけど、ああいう水着は着るのにモーションスリットが恥ずかしいってどうよ?!って(笑)
堂前 (笑)確かにそうですよね。えーっと、モーションスリットのデザインって…。
監督 (島田)フミカネさん。
吉岡 そう、音羽がソニックダイバーに乗ってる、あの島田先生のイメージイラストが最初にあったんですよ。
私が作業に入った時には、既に熊坂さんが考えたメインキャラやメカ、世界観の細かい設定とかがほとんど出来上がってまして、その中にあの絵もあって。 で、最初の打ち合わせに行って、「この空を飛んでいる女の子はサイボーグですか?ロボットですか?」って聞いたら、 思いっきり「生身の人間です」って言われて。私と松倉さん、ちょっと「目が点」になりました(笑)
かなり詳細な設定まで出来上がってるのに、「女の子が生身で空を飛んで大丈夫な理由」が決まってなかったんです!!
一同 (笑)
吉岡 でも、そこから全てが始まっていて、それが必殺技やワームなどの設定拡がっていく元になったんです。ナノスキンは「さて、どうやって飛ばせよう」って、みんなで考えて出てきたアイディアなんですけど、逆にそこから世界観が広がったんですね。
富田 ナノスキン、必殺技にも応用されますものね。
■実は「戦隊もの」でした
吉岡 よくスカイガールズは「ロボットアニメ」って言われるんですけど、自分はどちらかといえば戦隊もののつもりで書いていたので――
富田 最後は必ず必殺技でしめますしね。
吉岡 ナノスキンを塗るのって、実は「変身シーン」のノリなんですよ。
富田・堂前 えぇー!
吉岡 「ジャッカー電撃隊」っていう古い特撮作品があるんですが、ヒーロー達がカプセルに入って変身するんです。あれのイメージを借りていますし、音羽のMVソードは「ガッチャマンF」のクライマックスシーンが頭にありました。ですから自分的には「スカイガールズ」が「ロボットもの」だって意識したことがあまりないんです。
富田 監督的にはどうですか?戦隊ものとか、ロボットものとか、意識しています?
監督 そこはあんまり意識はしなかったですね。
堂前 ちなみに監督にとってスカイガールズって「何アニメ」なんでしょう?
監督 青春アニメというか――青春群像アニメといった感じかなぁと。軍隊という集団の中で頑張っている女の子たちを描くというか。
富田 ロボットとか兵器は背景で、それにまつわる人々の群像がメインのアニメと。
監督 そうですね。
吉岡 本当は「青春戦隊もの」です。そういうジャンルがあるかは知りませんが(笑)
堂前 今できたんですよ、きっと!

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